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医師へのあこがれ(その40)

医師へのあこがれ
2010.09.03.金曜日
医師へのあこがれ | 2010.09.03.金曜日

臨床実習初日に、
私たちのグループが
担当となったのは、
息切れで来院された
おじいさんでした。
現像されてきた
胸部レントゲン写真は、
やや骨格が大きい印象で
肋骨の間隔が広めでした。
全体に少し黒い
(透過性が良い)感じが
した程度で、
肺炎を疑うような
白い部分(透過性が減弱)
している部分は
ありませんでした。
肺自体の大きさに比べ
心臓が小さく感じました。
この時点で、
呼吸器内科の先生でなくても
症状とレントゲン写真から
簡単に診断がつくのですが
恥ずかしながら、
当時の私たちには、
診断がつけることが
できませんでした。
このおじいさんは、
肺気腫が悪化した
状態だったのでした。
肺気腫とは、呼吸細気管支壁
または肺胞壁の破壊と拡張が
特徴の呼吸器疾患です。
肺は元々、空気の多い
臓器ですが、肺胞を含む
多くの組織も存在しますが、
この組織が何らかの原因で
破綻して破壊されて、
空気の部分が増えた状態が
肺気腫です。
破壊された肺胞は機能せず
肺の中に増えた空気で、
レントゲンの透過性が
良くなったようにみえます。
症状は、階段の昇降や
坂道での息切れで始まります。
風邪をこじらすと、
肺炎になることがあり、
注意が必要です。
この、おじいさんの場合、
強い肺炎は無いものの、
肺気腫の状態に、
気管や気管支に炎症がおこり
呼吸状態が悪化したと
考えられます。
第三内科M教授の質問に
私たちのグループの
誰一人として、適切に
答えられることもできずに
私たちのポリクリの
初日は終わってしまいました。
おじいさんは、
酸素マスクをされて
入院のために車いすで
病棟に移されました。
本来なら、一瞬で診断されて
すぐに入院して点滴などを
受けることができたのに、
私たち学生のために、
我慢をして頂かないと
いけなかったことに、
全員が反省しました。
しかし、
一人前の医師になるためには
まだまだこれから学ばなけれ
ばならないことが山積し、
学生だから仕方がないなどは
言っておられません。
医学生の修行は、始まった
ばかりなのです。
(つづく)
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